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NYの後にニューオリンズを訪れるというのは、言ってみれば、極左から極右への移動のようなものである。「南部を訪れたNY男子が、バーで地元の人達がウェイトレスにむかって『ベイビー』と呼びかけてるのを見て、『ここじゃ、そんな呼びかけが許されてるのか!』と嬉しくなって意気揚々とそこにいたウェイトレスに『よう、ベイビー!』と話しかけたら、そのウェイトレスはNY出身だったため、激怒した」というジョーク(実話だったかもしれない)を聞いたことがあるけれど、NYといえば病的なまでのフェミニズム、そして人種平等を掲げる社会である。入口で扉を開けてあげたり、レストランで椅子をひいてあげるだけで男女差別主義者のレッテルを貼られ、街で見かける広告ポスターでは各人種が不気味なほどバランスよく肩を並べている異常なまでの「平等を目指す社会」である。一方ニューオリンズを含む南部にはいまだ根強く人種差別や男女差別が残っているというのが定説である。
さて私はアメリカ南部初上陸であり、事の真相が気になっていた。本当に偏見や差別は残っているのだろうか?と。 ニューオリンズに着いてすぐに訪れたカフェ・ドゥ・モンドでは、入口付近にたむろっていた店員の一人がHellzapoppin'のダンスシーン冒頭で太鼓叩いていそうな黒人のあんちゃんだったので思わず「おお!」と過剰反応してしまった。いざ店に入ってみるとまあ見事に店員は黒人だらけ。一日一食系のテレンス・トレント・ダービーみたいなあんちゃんや、ノーマの若い頃みたいなウェイトレスなど、まさにHellzapoppin'の世界。いや別に店員が全員黒人だからイコール人種差別という結論は早急とは思うけど…こんな光景やっぱり他のアメリカ都市では見たことないっす(あ、ハーレムのH&Mは黒人店員だらけだったな)。少なくともNYだったら、観光客がひっきりなしに訪れる街のシンボル的なカフェの店員は、男女、人種比率ともに「平等」にしそうなもんだけど。さらにみやげ物屋へ行けば、ちびくろサンボもびっくりの黒人の召使い人形やら黒人少年たちが畑で働かされてるイラスト絵葉書やら、追い打ちをかけるような奴隷系みやげがいっぱい。すげー…。これは日本というよりNYへのおみやげとしての方が価値があるのではないか? 翌日またしてもベニエを食べにドゥ・モンドへ寄ったところ、店員のほとんどがアジア系のおばちゃんになっていて、ここは地元のラーメン屋か?と一瞬錯覚しそうになった。こんなにそっくり入れ替わるとは…。黒人とアジア人を一緒にしておくとやっぱりすぐ喧嘩とかしちゃうんだろうか。シフトを組む人はさぞや大変だろうなー…(いや簡単なのか)。何ともあからさまな人種間の線引きである。 そういえばカフェ・ドゥ・モンドの店員やタクシーの運ちゃんなどに「日本から来たのか?オレ、日本は好きだぜ!」とよく声をかけられた。ニュアンスからして、この「日本は好きだぜ」というのは「他のアジアは嫌い」の裏返しであったように思う(実際に「中国は嫌いだけど、日本は好きだ!」とはっきり言う人もいた)。NYでは考えられないことである。NYで「日本から来たのか?」なんて聞かれることは滅多にないし、ましてや見ず知らずの人間に「中国人は嫌いだけど」なんて言う人にはお目にかかったことない。 さてそろそろダンスの話でもしましょうか。エクスチェンジは初参加だったので、どんなものやら露知らず、しかもNOEX歴ン年の姉や、昨年に引き続いて参加のM嬢が一緒にいたので、自分達ではほとんど何も調べずに臨んでしまった(初日の集合場所すら確認し忘れてた)。 初日の木曜日には NOEXが主催するイベントはなく、めぼしいバーをみんなで巡って適当に踊る(ということを当日知った)。ダンスというよりは人と知り合うことが目的(ということも当日知った)。というわけでまあみんなよく飲む飲む。スウィングのイベントに行くと大きな水のタンクがドカドカ置いてあって、その周りに名前を書いた紙コップが散乱している…というのが普通なので、あれだけ大量の酔っぱらいリンディホッパーを見たのは初めてであり、とても新鮮であった。初日に踊った人はほとんどが酔っぱらい、というか一部はかなり泥酔状態だったので、クローズになるとどことな〜くしなだれかかってきたり、ファストで踊るとなんとなくヤケっぱちという感じで、レベルの程がよくわからなかったのであるが、後日シラフで踊ってみたらみなさん、とても上手かったことに気づいた。 自分も飲んでるのでついわからなくなりがちだけど、よくよく考えると上手いダンサーが多かった。そしてレベルの高さも嬉しいけど、何より喜ばしいのはシアトルやヘラン辺りにはうようよ生息しているスカイのパチもんはじめ、パチ系ダンサーが少ないこと(ストローム先生のパチはいたけど)。あとAlice Allen履いて無駄にスライドする人もあんまりいない。みんなソシアル馬鹿みたいなダンサーばっかりで、曲や雰囲気を楽しむのが大変上手く、付け焼き刃の小技やスタイリングに走る人はあんまりいないのだ。そもそも技にこだわる人だったら、こんな酔っぱらい率の高いエクスチェンジなんか来ないね、きっと。 余談だけど、私が思うにパチられ率No.1はスカイ、次がストローム先生といったところでしょうか。思うに彼らのスタイルは表面的に真似しやすいのでしょう。グリグリっと回していきなり飛ぶ、とかさ(そしてそれが超訳により猫だましに化ける)。ひたすらグルグル回すとかさ(それにしてもストローム先生はシルビア・サイクスと組むようになってクルクル率8割増しですね。そんなに回すとウェスティーって呼ぶぞコラ!…おっと)。 …話を戻そう。ニューオリンズのフロアといえば「Just Feelin'!」なスティーブン系のダンサーあり(これはパチとは言わない。素だから)、なにはなくとも顔で踊るダンサーあり、初心者と思いきやミュージカリティばっちりなダンサーあり…ブルース系もよく踊ったけど、ヘランのブルースナイトみたいに本気とかいてマジな雰囲気ではなく、踊るそばから自分でツッコみ入れてるようなダンサーがたくさんいて、かなり面白かった。やっぱりブルースはこのくらい薄めてくれないと、日本人にはツライ。 またしても余談だけど、踊るそばから毒を吐いては、片っ端からあだ名を付けるM&Mコンビと一緒だったため、めぼしいダンサーには軒並みあだ名がついていた。ベロアにおにぎり君に宅八郎にチェホンマンにニセのダン・アモに尾見としのり(別名寅さん)に三谷幸喜…って、日本人多いな!(どれも日本人じゃないのに) 私のお気に入りは、ALHCのプロアマでたまたま見かけて以来、気になっていたおしゃれで踊りもセンスのいいアレン爺ちゃん。毎晩踊ってもらったけど、ALHCでやってた通りのネタ満載。大いなるマンネリ。とっても楽しかった。奥さんも一緒にいたんだけど、この人がまたよくできてて、地味〜に、上手い。そうNOには、地味〜に上手い人、いっぱいいましたね。スカイやストロームをパチってご満悦、だけど腰ガタガタやんけ、な人や、無駄にスライドしてバランス崩すような人にはぜひ見習っていただきたいものだ。 満足度120%なNYの直後とあって、果たして素直に楽しめるのであろうか…と当初は思っていましたが、エクスチェンジいいじゃん!ニューオリンズ最高!!と幸せな旅の幕引きとなったのでした。ああ、ベロアとまた踊りたいな〜。名前も出身地も聞き忘れたけど。
by tinyRabbit
| 2007-02-27 12:50
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