カテゴリ
最新の記事
以前の記事
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
斉藤孝の本に、水泳のオリンピック強化選手のトレーニングで、世界記録のスピードを体感させるためにワイヤーにつかまらせて体を引っ張る練習方法があると書いてあった。世界レベルのスピードを実感させ、感覚をまず体に覚えさせてから、そこに合わせて技術を磨いていくってことらしい。なるほどなあ〜。
上手い人の感覚っていうのが実感できれば、もっと早く上達できるだろうなあ、と思うことはよくある。「その感覚」っていうのがわかれば、どこを鍛えればいいとか、どこに意識を集中させるとか、必要な技術が具体的にわかるだろうから練習の効率もよくなる。で、斉藤孝もそこに入ればプロの感覚が実感できるロボっていうのを作ろうとしたらしい…。そりゃ無理だと思うが…。 自分が体験したことのない感覚をいくら言葉で説明されてもなかなかわからない。だから教えるのって難しいわけで、長嶋監督の「ビュッときたらズバッと打つ!」みたいなことになっちゃうわけだ。でもその水泳の練習みたいに、とりあえず感覚だけでも味わえる練習ができたら、いいよねえ。…と、そういえば昨年のヘランで私もそんな経験をしたことを思い出した。 昨年の夏、ヘランで一晩だけ踊ってきた。北欧旅行の中盤戦で疲れていたのもあって、それほどガツガツ踊る気もなく、少数精鋭でいこうと決めた。…ま、この少数精鋭ってかなり高飛車なんだけどさ。「フランキーとだけは踊りたい」「トッドとだけは踊りたい」「スティーブンとだけは踊りたい」…ってやってたら結果インストラクターとばっかり踊っちゃった(だってスウェーデン人てなんかコワそうだったんだも〜ん)。ちなみに最初は「ザカリアスとだけは踊りたい」だったんだけど、どれがザカリアスかわかんなかった…(だってスウェーデン人て似てるんだも〜ん)。 で、世界トップレベルにしてY先生のアイドル、ライアンとも踊ってもらったんですけどね。その晩は週の最後の夜ということもあって、ライアンは狂ったように踊りまくってた。普通、インストラクターってそこそこに引き上げるみたいなんだけど、ライアンは次から次へと誘いにくるフォロワーとひっきりなしに踊り通してた。それもどう見ても本気と書いてマジ踊り。フランキーやチャズ、ドーンなどそうそうたるメンツも揃ってたから、奮発しちゃったんですかね。で、スキを見て私もなんとか、もぐりこみ成功!…と思ったら、かかった曲がかなり早かった…(こういうケース多いなー)。 早い曲で踊るの好きだし、そこそこ踊れると思ってた私は、最初はコトの重大さに気づいてなかった。あら早い曲だ、ライアンと踊れるなんてラッキー!程度に思ってた。…知らないって怖いねえ〜。身の程知らずってほんと、恐ろしいよね〜。 …いや〜、よくケガしなかったもんだってつくづく思います。ほぼ最初から最後まで、私は自分が何してたのか、全然わからなかったです。世界レベルを実感するって、ああいうことなんだろうか。強化選手でもない上、心の準備もしないままワイヤーに捕まって引っ張られちゃったようなもので、スピードを体感するどころか、下手したら溺死するとこでした。 習ったことがまったく通用しない。もうその一言に尽きる。来日時に踊ってもらった時はそんなことなかったのにな〜、早い曲じゃなかったからかな〜、今以上に何もわかってなかったのかな〜、単に手を抜いてたのかな〜、ブツブツブツ…と考え込むものの、何しろライアンみたいなリードをしてくれるリーダーは日本にいないので(世界にもあんまりいないけど)、「私の何がいけなかったんでしょうか」と確かめたくても確かめようがない。 思えばフランキーやチャズと踊った時も、ライアンほどのダメージはないにしても、なんか違和感があったのよね。そういえばジュンと踊る時も、早い曲だとなんかおかしいなっていう時があるのよね。トッドとかスカイとか、白人リーダーとはそんなことないのに…。 一体あれは何だったんだろうかと繰り返し考えるうち、やっぱり黒人と白人はリードする時の体の使い方が違うんだろうなー。そしてここ数年私が習ってきたことは基本的に白人的概念なんじゃないかなーと思うに至った。そして、じゃあ黒人リーダー対策に必要なことはなんだ?と。 具体的に言うと、バウンス感、コネクション、フレーム。この辺りがくさい。におう。問題解決の鍵はここらにある。絶対ある…と思っていた矢先、ベッティーナのWSで、垂直方向の重心移動を意識してリードするという、今までぜ〜んぜん気づいていなかったことを指摘される。 ここんとこフレーム論が熱い(よね?日本だけ??)。スパゲッティだの、うどんだのと言われて、女子は腕を固めるわけだけど、このフレームという概念、下手すると水平方向だけに意識が向いちゃう。でもね〜チャズのシュガープッシュなんてさ、フレームないよ?ぼよんぼよん、チャズのバウンスに合わせるだけで、腕のリードなんかほとんどないよ?フランキーはフォロワーの体を止めたい時は、腰をもって地面に埋めるんじゃないかってぐらい真下にグサっとリードするんだよ。こういうリードが来た時にいくら腕をガチガチに固めてようと、全然対応できまっへん! この垂直方向リードの概念に至り、やっと「次回ライアンと踊る時はもうちょっと何となるんじゃないか…」と明るい光が見え始めた。そして大阪のHHS祭で、私は自分の考えが正しいに違いないと確信する。そうです。ザカリアスのリードっていうのが、ライアンとかなり似てたんですね(当社比)。さすが黒人にこだわるHHS、ルーティンだけじゃなく体の使い方までちゃんと理解してる(と、ひそかに感動しました)。 すごいスピードとパワーには相変わらずビビったけど、全く知らないのと、ほんのわずかでも知ってるっていうのは、もう雲泥の差なんだよね。だからどんなレベルにいても、トップの凄さを体感するのは意味があるのよね。ありがとうライアン先生。容赦なく引っ張ってくれて。 そして新・容赦なく引っ張るリーダーのザカリアスと踊って、またしても未知の感覚を味わった。これでまた新しい課題ができたけど、ライアンの時のショックに比べれば立ち直りも早い。昨年のヘラン・ショックのおかげで、課題に対する姿勢自体が変わったのかもしれない。 今年もヘランでまたワイヤー経験ができることを祈る。
by tinyRabbit
| 2006-04-24 17:20
| Lindy
|
ファン申請 |
||